お着付け教室の一環で、
筑前町にある『大倉織物』様に行ってまいりました🌟
旦那さんに、その予定をノリノリで話したときに、
「緊急事態宣下になにやってんのよ」
と言われ、
たしかに…😂辞めとこうかなと思ったのですが、
(基本的に外出自粛派)
私の一瞬の寂しそうな瞳を見逃さなかったのでしょうか、笑
その日の昼、旦那さん、
「仕事休みとったから
めいちゃん見てるから、ゆっくり見学しといで」
と言ってくれて、
防備してありがたく参加させていただきました😂🙏
大倉織物さんは、
先代のお父様の名前からとり、
『誠之輔』というブランド(作家名)で、
伝統工芸である博多織の袋帯、名古屋帯、半幅帯をつくっていらっしゃいます。
工場内は普段入ることができない場所とのこと。
今回、糸ができる工程に始まり、
織る前の準備等々、
様々な工程の説明を受けながら
機械や手織りを見るのは初めてです。
伝統工芸士さんとお話させていただいたのも初めてで、
とても世界が広がり目が肥えた貴重な半日となりました。
博多織といえば、あの献上柄=博多織と思っていたのですが、それだけではないのですね。🤣
博多織の工程に加えて、献上柄のなりたちや、格のことなども教えていただきました。
社長には伝統工芸の経営や実情のことについてもうかがい、
なかなか厳しい中で、職人魂を持たれて物づくりをされているところに胸を打たれました。
手織りの熟練の方はなかなかおらず、
今は社長と、
70年?されている87歳の方なのだそう。
そんな素晴らしい方、なにか国から賞とか与えられたりしないのですかね!と話になった時、
どうやらお話によると、
人間国宝を辞退されたとのことで、
その方の生き様というか価値観というか、、
私だったら、ありがたく!!!となると思うのですが🤣
どう思われたかはまったく存じ上げないのですが、
どのようなことに幸せを感じるか、
様々あるなと感じます。
手織りは、
湿度や、その時の心のあり方によっても仕上がりが全然違うそうです。
心がゆらゆらしている時は織物にもそれが出ますし、
この帯はどんな方に召していただけるのだろうか。
召された方が幸せな気持ちになりますように。
と願って織られる時、
そういった思いを持ちながら技術を重ね、織る時、全然仕上がりが違うのですよ、とおっしゃってました。
工程は非常に細かく、
(下記に自分のアウトプットとして書いているのですが)
結果として完成したその優美さは人の手と魂の込まれたものならではなのだな、と思いました。
大倉織物さんは、製造元ならではで、
商品とは別に見本がありまして、帯を触ることができました。
とてもしっとりと、さらりとしていて、
説明をきいたり、織られているのを拝見したあとに、改めて帯を見て触れると、
素人でも、その仕上がりにうっとりしました。
何十種類とあるのですが、ひとつひとつに名前があり、
そして裏がリバーシブルになっているものが多く、
表はフォーマル用の金糸が入ったもので、
裏はオシャレ着として普段着れるような柄になっていて、
一つで二役!便利だなぁと思いました!!
ひとつの帯で10色ぐらい着物とあわせてもらったのをみて、
全て素敵にキマッテており、
同じ帯なのに雰囲気もグッと変わり、
ひとつの帯でたくさんのお着物を楽しむことができ、びっくりでした。
表の柄と、裏の柄、お好みで合わせることができるとのことで、プチオーダーシステムにも驚きました✨
帯は着物と違って丈の違いなどもないので、上質なものを代々受け継ぐことができる素晴らしさもあることを知りましたが、
なにぶん、経済的に、手も足も出ませんでした。🤣
個人的には、クリーム色っぽい地に
ごくごく淡い色の献上柄の縦縞の柄が織られているもの♡
上品だった〜♡🥰♡
西陣織との違いについても学びました。
ちょっと理解不足に文章力不足もあり、
魅力的に説明できないのが心苦しいですが😭
柄がもこもこしていなくて、傷みにくい。
とっても軽くて柔らかいので着付けしやすいし、長時間身につけておく際にも負担が軽い。
などなど。
今回、大倉織物さんのこだわりや魅力を堪能しましたが、
きっと一口に博多織物といっても、織元さんによって、さまざまこだわりや魅力、柄のテイストもちがったものなのでしょうし、
西陣織も素敵な物なのでしょう。
でも、今日は。
いつか一本を買うなら、こちらで、と感じるくらい素敵な1日でした。
私自身は、
着物は祝い事などで、レンタルなどしか着たことしかないレベルで、
まだお着付け教室も始まったばかり、、
でも、着物を身につけたときには背筋がシャンとし、
似合う〜などと言われたら嬉しくって
普段の自分じゃない上質な風貌に変身できることや、
まとわれ落ちつく感じが、とても好きと感じます。
自分の知らないものを、今日のように、知ること。
着れるようになって、
心地よい気分になったり、
街を歩いてみたり、
譲り受けたものや、気持ちを込めたお気に入りのものを祝い事で着てみたり。
もし、あの方なんだか素敵だな、わたしも着てみたいなぁなどと人様の目にとめてもらえたとしたら、
日本の美しい文化が受け継がれて、
もっともっとそれらが活性化したならば。
日本の町にとっても、
受け継いでいる伝統工芸を誇りに思い生業としている人たちにとっても、
素敵なことだと思います。
工場に行って、"糸"があんなに長くのびのびしているところは初めてみました。
切れないのかな。
元はただ1本の"糸"と"糸"。
重なっておりなしていくと、
こんなに強く、魅力的な力を発するんだと、不思議な気持ちにもなりました。
娘たちも、いつかこんな世界があるのだと、知ってもらいたいな。
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ここからは、今日見たことのアウトプットのための記録^_^
長くなります。笑
工場に入ると、とっても昔からありそうな大きな機械(ドイツから来たジャガード機)が、10台くらいほどあり、職人さんが一人ずつたち、すごい音が。
説明の担当の方は、簡易なマイクを利用して、ひとつひとつの工程を順に回って、
なんでこんなことをしているのか?どういうシステムなのか?を教えてくださいました。
1階に糸の織り込み指示はコンピュータ式でしたが、
上階には、手織りの機械があり、
手織りはコンピュータ指示ではなく、
紋彫り(もんほり)という薄い10×30センチくらいのダンボールみたいなものに、縦糸と横糸を引くのため機械に指示を出すための穴があけられていて、
それをつかっているようです。
1枚につき何百個という穴が不規則にあいたそのダンボール紙みたいなのを280枚などと糸で繋げていく紋編みという工程をします。
ものよっては、何千枚と。
その紋編みを使って
社長である伝統工芸士さん
が足と手を目を駆使して、
一織、一織パタンパタンとしていくのですが、その280枚で、たったの10センチしか帯ができないのですよ😭😭😭😭😭😭
その繰り返しだそう。
わたしはもう、気が遠くなりました。笑
ひとつの帯をつくるのに、
織ること自体は1週間、
準備などを含めると1ヶ月はかかるとのこと。
帯のデザインをきめるのも、
社長自ら構想を練り、
それを図案(ずあん) の専門の方が作成し、
(これまた相性があるらしくて、現在たった一人の方が担当しているらしい)
さらにそれを、
意匠図(いしょうず) といって、
織物設計にしたがって、方眼紙のようなものに色をつけたりして…
先述の紋彫りや紋編みの工程を経て、試作してみて、織物にしてみて、思ったものと違えば、また作成しなおして…
と、やはりまた気が遠くなる話🤣🤣
手織りでなく、
コンピュータ指示式の機械もこまかな糸の準備に技術がかなりいるのだそう。
伝統工芸の織物ってこんなに手の込んだものなのだなぁ。
自分が住む世界にこんな世界もある。
それらの、ひとつひとつや、思いを知ることは、とても楽しいと感じたひととき。
***
おしまい👘