3姉妹子育てとホテルウーマン、ときどき畑

7.4.2才の3姉妹との日々とホテルウーマン、自然農の家庭菜園など♪

なぜ11年働いた仕事を辞めたのか、の続き①

前回なんかしんみりしておわってしまったので、ホテルでおこった今だから笑える楽しい事件?!&私の成長話でも。笑



ホテルの仕事は、とてつもなく華やかで、楽しい世界!!


ブラックじゃないか?ブラックかと言われれば価値観はそれぞれ。


それに変わる非日常の華やかさがホテルでは楽しめる。


そして、自分にとっては多数のお客様の中のひとりかもしれないけど、

お客様にとっては、
優雅に旅を満喫しまくるセレブの旅行かもしれないし、
家族みんながスケジュールを一生懸命合わせてやっとたどりついた旅行かもしれないし、
新婚旅行かもしれない、
子供が親のためにと、お金をせっせとためてプレゼントした旅行かもしれないし、
プロポーズしたいカップルの旅行かもしれない、
病気の人が人生最後の楽しみにと思いえがいた旅行かもしれない。


そんな大切な、一生記憶に残るであろう思い出づくりのお手伝いができる、素敵な仕事なのである。


私は入社後、念願の宿泊部に配属。
ベルガールからのスタート。


いや、その前に、
入社前に、専門学生に負けたくないと、バイトで、ブライダルの配膳をさせていただいた。


そこで、4月から入社します!とつたえると、
爆弾かかえたな。などと言われるし、
なんか廊下は迷路みたいだし、不安になる笑


実際、わたしがのろますぎて、スタッフさんにトレーをなげつけられたこともあって、この人と一緒に働くの?いやだ…と悩んだりもした。笑


でも、優しいスタッフさんもたくさん、たくさんいた。


違う会場に入っていた黒服さんに、「お〜い頑張ってんな!休憩メシ行こうぜ〜♪」と言われひゃっほーい♪と冗談と知らずについて行ったら、
「違うから〜、俺とお前今日会場違うから〜」と笑われてしまった。笑


毎回、「元気〜?今日も笑顔がかわいいね!よし!頑張ろ!」と声をかけてくださる方もいた。


この二人の上司と、数年後、密に一緒に働くこととなり、お願いしたり、お願いされたりと、なんだか不思議だなーと懐かしく思う。


そうそう、ベルガールの話に戻そう。


母子家庭なのに箱入り娘で育ったからか、素直に育ちすぎたか、ただの世間知らずかで、
わたしは、いろんな知識がなさすぎたし、人を疑うことを知らなかった。


デリヘルがなんなのかも知らなくて、
体の不自由な方に、
「夜介護で知人がくるから通して欲しい」といわれて、
そりゃ大変だと思い、どうぞどうぞと快諾したら、先輩に怒られた。


そのあと、
「やはりちょっと派手目で、コートの下は薄着、大きめのバッグをかかえていたり、表に迎えの車が待機していたら、怪しいかも。ただし、少し派手目なお客様ということも十分あるから、お声をかける際は要注意」
ということを教えてもらった。



二人分のお金を払えばそれでいいのかというとそうではないようで、
「家族づれもいるし、間違って違う部屋に深夜にピンポンおされるかもしれないし、風紀がみだれるかもしれないのでよろしくない。
私たちは、お客様みなさまの、快適で安全な宿泊を守る義務がある。」
とのことだった。


夜勤時は、結構多く、エレベーターはセキュリティがかかっているのだが、
こそこそ出入りしようとする人もいれば、お客様自身が迎えに来て同行することもある。
「デリヘルで、お客様に呼ばれたのですが、上がってもいいですか?」と素直にきいてくれる方もいて、あー、いいこなのかなーと、デリヘルさんに親近感が湧いたこともあった。笑



あと、社会人になってはじめての勉強になったできごと。


飼っていた愛犬が死んで、どうしようもできなくて、その日は土曜で多忙とはわかっていたけど、
みんなはわかってくれる。
嘘はつくのはよくないと、
「飼っていた犬が死んだから今日は休ませてもらいたい」と泣きながら上司に電話したら、気持ちはわかるけど…とやんわり、怒られた。


社会は甘くない。
働くことはたやすいことじゃない、
責任があることだ。
つらいときもあるかもしれないけど、お客様の前では顔に出さず乗り越える。
それがプロだ。
愛犬ぺぺは、社会にでて間もない私に、そう教えてくれた気がした。


テルマンをイメージしやすいベルボーイの帽子。
私の頭が意外にも小さかったのか、帽子がななめにずれまくるので、
間にティッシュをつめていたら、水分油分がすいとられていたのか、数年後、おでこのシワとなってあらわれた。


一口餃子が有名とは勉強不足で、
「福岡にきたので餃子食べたい」とお客様に言われて、
博多っぽいかはよくわからないけど…と思いながら、
「王将があります!」
と答えたら、後ろを通りかかった先輩が青ざめて、
私はその日はじめて知った一口餃子の有名な店に、勤務の後、地図をにぎりしめて、一人で行ったような気がする。


それからは、いわゆるお客様にきかれる福岡の名物みたいなものを、ネットや雑誌で調べて場所を確認しにみに行ったり、実際に食べたり、
当時の憧れていた背筋がピシッとしたコンシェルジュさんに、これをきかれたら、どこを紹介しますか?と聞いたりして、メモ帳を分厚くしていった。
コンシェルジュさん秘伝のカンペリストも特別にコピーさせてもらえた。


この出来事から当時のコンシェルジュさんが、
「勉強熱心で偉いね、将来コンシェルジュで待ってるね。」
とほめてくださって、コンシェルジュとして招待された見学などによく誘っていただいたりもして、ワクワクなホテルマン人生が始まることとなる。


夜勤の時は、綺麗な女性の先輩が、お肌がかさかさになるじゃないとか言って、ティッシュに化粧水みたいなのをしみ込ませてパックしていて、ほほー、こうやって美を保っているのかという感じで感激した。


夜は、一日中お客様のお荷物を乗せてたっぷり働いてくれた金色の台車たちを、
ピカールを使ってせっせと磨く。

そしたら、ツルピカリンによみがえるのだ!

ふきがあまいと、お客様の服などが黒くなるので、念入りに念入りに、乾拭きも手を抜かない。

あの独特のにおいは、10年たった今でも覚えている。

この台車には、結婚式に使うドレスなども乗せる。
はじめて見て、ふれる長くてひらひらでふりふりで近くで見ると思ったより大きい、夢がつまったそのドレスを憧れた目で見ていた。


生まれてはじめて見た芸能人は、守秘義務があるのでいえないが、テレビで見たまんまで、
すごく香水のにおいがした。


その次にみたアーティストさんは、一世を風靡してほとんどの方はお目にかかることができないと思うのだが、
コンサート後の帰館で、私の背中すぐ後ろで生鼻歌を披露してくれた。
ファンではないのだが、レアすぎて、テンションがうなぎのぼりした。
でも、守秘義務があるので、誰にも自慢話ができないのがつらいところだった。


みるからに疲れて帰ってくるアーティストさんもいたし、

また別の方は、仮装もせず、すっぴんでロビーをうろうろしたり、自分の子供を自由にあやしたりして、

やっぱり同じ人間なんだ!と思うこともあった。


そんな感じで私が宿泊部に配属されてはじめてやったベルガールという仕事が始まって、終わっていった。



話すネタはつきないが、
そのお次は、フロント、コンシェルジュ、代表電話、予約、経理


長くなってきたので、②に続くとしよう。